漢になるために―実践編―

 

前回の大幅な加筆修正は、漢になるための心構え、そして魂をこめるプロセスについて述べたものである。

今回は、より実践的な漢ゲージの使い方、そして真昇竜の当て方について考察する。

 

 

1、前回の復習

漢になる方法とは。

1、キャラセレで赤ハチマキのホームレスを選択し、その他のトラップ選択肢を無視し、迷わず真昇竜を選択する。

2、EX技消費によるペナルティーに気をつけながら、漢ゲージを満タンにする。

3、漢ゲージが溜まったら、「漢としての生き様を示す」ような局面で真昇竜をぶっぱなす。

  その際、いかなる方法であれ、ぶっ放し方は問わない。

 

漢の定義

@何かをなさねばならぬ、

A不確定状況において、

Bこれに臆することなく敢然と立ち向かう者

である。

 

もっとも大切なのは「魂をこめる」という熱いプロセスである。

魂をこめないと、たとえレバーをまわしてパンチボタンを押しても、真昇竜は発動しない。

レバーを二回転させてパンチボタンを押す、という作業は、

魂をこめるプロセスを補助しているに過ぎない!!

 

『漢の中の漢、真の漢は、

一回転たりともレバーを回さず、一切のボタンを押さずとも、

常にその漢ゲージは満ちあふれ、

思いのままに魂をこめ、真昇竜を発動することができたという・・・。』

                                         ―民○書房刊 「漢と真昇竜」より抜粋

 

筆者もまた、そのような「漢の中の漢」になりたいものである。

 

 

2、いかに漢ゲージを溜めるのか

真昇竜を発動させるためには、まず、漢ゲージを満タンまで溜めるという条件がある。

漢ゲージを満タンにするためには、EX技消費のペナルティーの誘惑に耐えつつ、相手とぶつかり合い、ゲージを溜めていかねばならない。

しかし戦いの最中、硬直状態に陥り、うかつな接近も出来ず、相手もまたこちらの出方を伺っているとき・・・。

このときが漢ゲージを溜める絶好の機会である。

そんなときは!!

 

迷わず中パンチを連打するのだ!!

魂を込めて、連打するのだ!!

打つべし!打つべし!打つべし!!

 

なんと!!

見る見るうちに漢ゲージが溜まっていくぞ!!

 

 

『セコい』とか言ってはいけない。

たしかに、しゃがみながら屈中Pをせこせこ連打している姿は、主人公キャラとして、傍から見ると滑稽に映るかもしれない。

だが、それは物事を表面からしか捉えられない、軟弱者の言うこと である。

 

『トップを狙え!』 で麗しいお姉さま が 鉄ゲタを履いて、階段でうさぎ跳び

をしているような滑稽な姿であるが、

よく見てみたまえ、その姿は、

明日に向かってひたむきな努力をしている者の美しい姿でもある!!

愚者が滑稽だと笑うその間、漢は影でひたむきな努力を積み上げ、魂を込めているのだ!!

 

 

3、真昇竜を繰り出す

さあ、おまえは努力と根性で、魂を、漢ゲージを溜めた!!

これで、いつでも、漢にだけ許された最終奥義、真昇竜拳を繰り出すことが出来る!!

しかし、折角繰り出した真昇竜が、相手にヒットしない、もしくはガードされてしまった・・・。

そのようなことでは、人々に漢の生き様を見せたことにはならない。

必要なときに迷わず繰り出し、

強敵(とも)にぶち当ててこそ、

漢としての生き様を示すことが出来る。

 

『漢の中の漢、真の漢が繰り出す真昇竜は、

常にガード不能、ブロッキング不可技であり、

食らったものは、いかな体力状態であっても即死であったという。

そしてアルティメットKOが適用され、

真昇竜が決まった瞬間、常に漢が勝利したという。』

                                      ―民○書房刊 「漢と真昇竜」より抜粋

 

注:アルティメットKO・・・決まった瞬間、それが1ラウンド目であったとしても、全ラウンドに勝利したことになる究極のKOである

  すなわち、食らった相手は再起不能となり、残りのラウンドを戦うことが出来ない

 

筆者もまた、そのような漢になりたいものである。

 

さて、我々のほとんどは、このような漢を目指すものであるが、

いかに魂を込めようとも、なかなか真昇竜がガード不能になるほどまでには、

魂を込めきることが出来ないのが現実である。

では、ガード不能ではない、不完全な(だからこそ、皆、漢になろうと努力する)真昇竜をいかに強敵にぶちあてていくか。

それを検証していこう。

 

4、攻めの真昇竜

漢ゲージが溜まると、いかなる強敵であったとしても、漢の最終奥義、真昇竜の前には萎縮するはずである。

なぜならば、それは、

真昇竜が、漢の最終奥義、真昇竜だからである!!

日本語になっていない、とか言ってはいけない。

つまりはそういうことである。(きっぱりと)

 

では、どうやって使うのか。

 

ヒット確認真昇竜についてはいまさら言うまでもない。

しかし、大逆転の状況で使うのでもない限り、いまいちカタルシスに欠ける。

 

パターン1

弱竜巻からいきなり繰り出す

理想をいえば、ギリギリ相手の背後を取るように竜巻を繰り出し、投げと見せかけていきなり真昇竜である。

狙いは、乱戦の最中に相手の足払いを透かし、

竜巻の着地の硬直と、相手の足払いの硬直が相殺される、

もしくは竜巻の硬直のほうが短い、

という状況である。

有効と思われるのは、リュウ・ケンタイプ、春麗、エレナなど。

 

パターン2

ブロッキングから仕掛ける

真昇竜の特権、発生の速さを生かす。

↓ブロッキングから、生で真昇竜を繰り出し、相手を吸い込んでしまう。

利点は、相手がスーパーアーツにキャンセルをかけようとも、問答無用で吸い込める点。

リュウ・ケンタイプの屈中Kならば、ブロッキング後最速で出す限り、ほとんどの間合いで吸い込むことが出来る。

豪鬼が屈中K→滅殺豪波動などを決め打ちで出してきても、確実に真昇竜が勝つ。

 

欠点がある。

真昇竜は吸い込みという点で最強クラスの技だが、吸い込みに限界もある。

ユリアンの屈中Kなどリーチの長い技の先端をブロッキングして発動した場合、最悪1ヒットしかしない。

(3ヒットの間合いもあり、この場合はしゃがみカウンターと合わせてそれなりのダメージになる)

 

ユン・ヤンタイプは特に注意。

やつらの判定が薄いため、真昇竜が2ヒットしかしないことが多い。

 

パターン3

特定の通常技をブロッキングさせ、キャンセル真昇竜

後に一歩も引かぬ背水の陣を覚悟で繰り出す、漢にだけ許された奥義である!!

ブロッキングが得意な強敵に対し、屈中Kなどをブロッキングさせ、問答無用で真昇竜をキャンセルする。

ブロッキング確認とか言っても、実際にはまずキャンセルが間に合わないので、

決め打ちオンリーで。

 

 

パターン4

いきなり真昇竜

ぶっぱなし真昇竜

相手の起き上がりに真昇竜。

相手に歩いて接近し、いきなり真昇竜

ダッシュして、いきなり真昇竜。

 

苦しいときに狙え。

諦めるな、漢として生きろ。

己の迷いを打ち消し、

ここだ!!と確信したときに迷わずぶっ放せ。

無心でレバーを舞わせ(回せ)、ボタンの太鼓を連打しろ。

 

 

ここぞというときのぶっ放しこそ、

漢の祭り、真昇竜花火の開始である!!

 

注意しておきたいのは、

『自分が確信したとき』

を見誤らないで欲しい。

「当たらないだろうけど、しょうがない、ダメモトで出しておけ」

というのは、いまいちだと思う。

それは諦めの思考であり、後ろ向きである。

 

自分が確信したときとは、

5割以上ヒットするであろうと確信する、自信を持って言い切れるポイント

である。

 

もし、そのような状況に絞って真昇竜を発動できるのであれば、

その試合、強敵にガードされて負けたとしても、明日につながる敗北である。

今日の敗北に耐え、己の力を信じ、ひたむきな努力と根性を繰り返すことで、

明日のお前は確実に、真昇竜をヒットさせることが出来るだろう。

 

そして、理想は常に相手にぶち当てることである。

実際には、そのようなぶっ放しが一番難しい。

だからこそ、試合の華なのである。

 

 

5、大逆転の真昇竜

自分が窮地に陥ったとき。

完全に相手のターン、相手の攻めの罠に陥ったとき。

諦めてはいけない。

漢には、秘められし最終奥義が残されている。

 

パターン1

強制逆二択の真昇竜 

たとえば、ダッドリーのジャンプ強Kをガードしてしまい、中段、下段の二択からの強制二択が待ち構えているとき、

たとえば、まことの疾風を食らい、強制二択が待ち構えているとき、

たとえば、画面隅でケンの強制N択が迫っているとき、

 

もし、お前の漢ゲージが満タンならば、

それは戦いの神に与えられた強制逆二択のチャンスである。

 

強制二択には二択を仕掛けるための支点がある。

それは、特定の攻撃をガードさせて固めた後、相手をダウンさせた後、

相手の2択が迫る。

しかし、相手の2択の支点さえわかれば、逆転真昇竜のポイントも絞れるはずである。

 

強制逆二択の場面、己が信じた局面で、魂を込めてレバーを回せ。

勝利は近い。

 

パターン2

カウンター真昇竜

特定の局面における、カウンター(確定)真昇竜はとてもテクニカルであり、

己の平静と、魂、そして迷わぬ心が必要とされる。

理論上は『確定』であったとしても、難易度ゆえに氷柱のような冷たい鋭さと、炎のような熱さが共存する、

やはりこれもまた、漢にだけ許された真昇竜である。

 

カウンター真昇竜の例

 

豪鬼・・・強竜巻ガード後

春麗・・・EXスピニングバードキック

     立ち状態から繰り出すのがポイント。 

     フレーム上はしゃがみ状態からでも間に合うはずだが、なぜかリバーサルで出しても空振りすることが多い。 

ダッドリー・・・ダートショット(→強K)

     一定の間合い、リバーサル限定であることが要求される

     しかし、ダートショットはスーパーアーツにつながることから強制二択の要である。

     リバーサル真昇竜を決めることで相手に多大なプレッシャーを与えることが出来る。

 

パターン3

赤ブロッキング→(昇竜拳)→真昇竜

テクニカルであるが、それ以上に必要なのは、迷わぬ心である。

一番難易度が低いと思われるのは、ユン、ヤンの中P→強P→後強Pのターゲットコンボの締めである。

難易度の高さゆえ、赤BLの後、真昇竜を生で出すのは難しい。

そこで昇竜拳を間にはさむことで、いくぶん難易度を和らげることが出来る。

 

昨年末から今年夏まで、テキサスから来日していたマーク氏のリュウは、

ユンの弱P→弱K→中P→幻影陣の重ねに対して、

ほぼ確実に中Pの部分に赤BLを成功させ、昇竜→真昇竜と繋いでいた。

ニュートンで大半のユン使いが彼に対しては、ターゲットコンボを控えていたほどである。

 

帰国前に彼と話をしたとき、

「通常のブロッキングよりも、確定で来るターゲットコンボに赤ブロッキングを仕掛けるほうが簡単。

成功すればだけど。毎日ドリキャスで練習すればできる。」

と語っていた。

努力と根性、そして迷わぬ心が、赤ブロッキングを成功させていたのである。

 

筆者は成功率1割にも満たないけれど。

 

パターン4

希望の真昇竜

相手のミスに漬け込むのもひとつの手である。

いかな上級者といえど、コンボのミスはある。

食らってはいけないコンボ、連携に持ち込まれたとき、

絶望的な状況にあってもなお、漢は黙々とレバーを回す。

代表例は、ユリアンの壁連携(とくに挟み)、オロの天狗発動状態、ユンの適当幻影陣、ヤンの星影演舞

これらの連携で窮地に陥ったときに、ひたすらレバーを回してボタンを連打する。

魂を込めて天に祈れ。

おまえの願いが通じたとき、青い輝きがお前を包み、相手は空を舞っていることだろう。

 

諦めるな。

つまり、最後まであがけ、抵抗しろ、ということである。

いかなる人間にもミスはある。

針の先のような隙を見逃すな。

 

パターン5

強制逆二択ブロッキング生真昇竜

もはや、ここまで来ると神へと至る階段を上っているような気がするのだが。

これはオロ、ユリアンなど、ガード不能を持つ相手限定である。

ダウンを奪われ、壁、魂を設置されたとき、表の選択肢としてあるのが、

起き上がりの強制逆二択真昇竜(パターン1)

である。

しかし、これに対してユリアン、オロ側は様子見という選択肢が生まれる。

そこで起き上がりに↓ブロッキングで凌ぎ、

2〜4発の↓ブロッキングから真昇竜を繰り出す!!

相手が様子見から攻撃に転じたとき、真昇竜が相手を捕らえる・・・。

 

ガード不能も、ブロッキングを混ぜることでリュウ有利の読み合い、という逆転の発想で捕らえる。

筆者は現在、真昇竜空振り2回・・・。

まだ成功してはいない。

 

 

6、Q&Aコーナー

これまでに筆者の元に寄せられたいくつかの質問に答えるコーナーである。

 

 

1、「黒衣さん、真昇竜はレバー2回転ではないですよ?」

                                         埼玉県草加市rKfさん

実は、真昇竜の正確なコマンドは、

レバー4回転+パンチボタン連打+魂を込める

が正しい。

しかし、魂を込める量が一定以上に達すると2回転+パンチボタンでも発動できる。

さらに言うならば、漢の中の漢、真の漢は、一切のレバー操作抜きにして真昇竜を出すことが出来るのである。

そのような境地こそ我々の求めるところである。

 

 

2、「黒衣さん、筐体を揺らさないでください!!」

                                埼玉県さいたま市Nグルさん、紅春さん、RXさん・・・その他多数から

 

ひとつ、知っておいて欲しいことがある。

スト3サードのシステム基盤、CPS3には隠しで「べ○ボースイッチ」の応用版、「漢スイッチ」 が組み込まれている。

漢が魂を込めると「漢スイッチ」がそれを感知し、筐体が震える仕組みになっているのである。

すなわち、黒衣がレバーをまわすことで、筐体を揺らしているのではない。

「漢スイッチが」魂を感知し、筐体が揺れている のである。

 

『漢の中の漢、真の漢が真昇竜を発動したとき、

天は震え、地は揺らぎ、津波が押し寄せたという。

1704年、1707年の元禄、宝永の富士山の噴火も、

真の漢が繰り出した真昇竜によって引き起こされたものである』

                                         ―民○書房刊 「漢と真昇竜」より抜粋

筆者の力では筐体が揺れる程度の魂が限界である。

いつか、富士山を噴火させるほどの漢になってみたいものである。

 

 

3、「黒衣さん、台揺れ確認ガードできるんですが・・・。」

                                            埼玉県さいたま市社長さん、紅春さん

 

これは非常に難しい問題である。

漢が魂を込めれば込めるほど、筐体が揺れてしまうのである。

しかし、一流の暗殺者が己の殺気を押しとどめ、人に悟られないようにするのと同様に、

漢もまた、己の闘気、熱い魂を心の奥深くに押しとどめ、

筐体を揺らさないようにすることもまた、大切なことであろう。

 

4、「白衣さん、みさき先輩は大好きですか?」

 

もちろん萌えてます。